お能を知る 面・装束編

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■お能を知る■
【面・装束編】

~約650年続いてきた芸術~

能の登場人物は能面をかけ(直面(ひためん)の場合もある)、能装束を付けます。これらをどの様に組み合わせ、どの様に着るかは、役柄によって決まっており、その役の性格まで表現されます。

●実は表情豊か?能面について
日本の三大芸能、「能楽」・「文楽」・「歌舞伎」を解りやすい特徴でそれを区分する時、「文楽は人形(マリオネット)の演劇」、「歌舞伎は化粧(MAKE)の演劇」そして「能楽は面(おもて・MASK)の演劇である」と表されるように、能面はいわば能楽のシンボルです。
面(おもて)をかける事が許されるのは、シテ方と狂言方のみ。種類をあげれば多く、約二百種類くらいになります。主なものを大別すると次のようになります。
【女面】小面、若女、増女、深井など。
【男面】邯鄲男(かんたんおとこ)、中将、平太、十六など。
【鬼面】顰(しかみ)、べしみ、飛出など。
【怨霊の面】生成(なまなり)、般若(はんにゃ)など。
能面の表情は見る角度によって変化し、また役者の繊細な動きでも自在に変わります!

●コーディネートに注目。能装束について
能装束は地、デザイン、染、織り、刺繍等、素材から製作工程までかなりの贅を尽くしている衣装です。種類は二十種類程度と意外に少ないですが、色、文様、生地、着付方でバリエーションは無限に広がり、役の心情まで表現します。
【色で区別】紅色が入るか入らないか。
 紅入(いろいり)→若い役
 紅無(いろなし)→中年以降役
【文様で区別】
 やわらかい草花、花鳥の文様→女性の役
 堅い雷文、稲妻、雲、龍の文様→男性の役
【烏帽子の曲がり方】
 (向って)右折れ→源氏の武将
 (向って)左折れ→平家の公達